映画の感想 『MONSTERZ モンスターズ』
予備知識ゼロで、レンタルで観ました。
地雷と知っててみたわけではありません(笑)。
アマゾンとかいろんな感想を見たら、非難轟々。
監督は中田秀夫。『リング』や『クロユリ団地』などが有名な大ベテラン監督。
脚本は渡辺雄介で、若いけど売れっ子らしい。
でも、この映画は酷い。
リアリティ無視、映像重視、無理やり人情ドラマにしている。
それなら一時間以内で終わる作品にして欲しかった。
あまりにつまらなくて最後まで観るのが苦痛でした。
超能力者の設定がいい加減杉!!!!
藤原竜也演じる超能力者は、眼を見せることで催眠術をかけることができる。
だから「仮名:超能力者A」の眼を見ていない人は催眠術にかからない。
にもかかわらず、ラジコンのように超能力者Aの眼を見ていない人でも、超能力者Aが見た人なら、自由に操作できるシーンが何度も出てくる。
松重豊演じる柴本刑事が超能力者Aを後ろから銃で威嚇するけど、鏡を利用して後ろ向きの柴本刑事を操作するシーンがある。
超能力者Aの眼から信号が出て、操作したい人間の眼が受信機の役割をしているならわかる理屈。
しかし青空マーケットや劇場や駅前などの群衆を操作するシーンがある。
これは超能力者Aは相手の眼を見なくても操作できてしまうということだ。
超能力者Aが泊まっているホテルの窓から向かい側のビルの人達が見えて、超能力者Aは向かい側の見えている人達を操作してしまう。
もちろん相手側からは超能力者Aの眼は見えない。
銀行強盗のシーンも同じ。
超能力者Aの義足は、映像的には凝っている。
でも歩くのが困難なら、義足だけでなく松葉杖を使えばいいのに、映像的にはボツなのか?
超能力者を使うたびに足が減っていく設定だから、義足は難しいはず。
途中から足ではなく、指が壊死していく何故?
超能力者Aは超能力を長年使っているにみかかわらず、誰にも超能力の存在を気づかないで暮らしてきたことになっている。
でも青空マーケットのシーンなど、白昼堂々と大勢の人に催眠術を使っている。
催眠術にかかった人達は記憶が残らない設定だけど、白昼堂々と催眠術をかければ、催眠術にかかっていない目撃者がいるだろう。
警察が無能杉。
超能力者Aの泊まっているホテルを調べだして(どうやって?)、調査している時に、超能力者Aがホテルの部屋に入ってくる。
警察は予想しなかったのだろうか?
劇場の入り口で超能力者Aを機動隊が囲む時も、超能力者Aの能力に対して、ライトだけしか使わない。
超能力者が外に出た時に遠方から狙撃すればいいと思う。
あるいは煙幕を使うとか・・・。
超能力者Aの能力を警察はわかっている設定なのだから、もっとまともな対策があるだろう。
石原さとみ演じるヒロインが・・・。
地図好きで、主人公と趣味が同じという設定が生きてこない。
超能力者Aに操作されて父親の自殺幇助させられてしまう(自殺幇助が必要な理由が不明)。
冷蔵庫から包丁を出してくるのもリアリティがないし。
超能力者Aに銃を向ける時に、どうして催眠術がかからないか不明。
その後に催眠術にかかって、螺旋状の階段(どこだよ〜)を歩く。
超能力者Aは手すりが錆びてて(偶然、錆びている!!)落ちそうになるし・・・
山田孝之演じるもう一人の超能力者・田中終一(変わった名前だ)は、不死身で再生能力が高い。
しかし再生能力が高くても傷は残ったり、残らなかったりする。
いい加減だ。
この映画は、超能力者同士の戦いを描くことが目的。
そして片方の超能力者は疎外されていて、化物扱いされている。
そして化物と呼ばれて本名を呼ばれない。
二人の超能力者は対照的に描かれる。
片方は本名で呼ばれていて、普通の人間として友達がたくさんいる。
しかし超能力者Aがもう一人の超能力者・田中終一を殺そうとする理由が不明。
嫉妬ではなく、自分の催眠術が効かない人物がいることを受け入れられないからだ。
恐怖と言い換えれることができる。
でも、田中終一は超能力者Aのことは全く知らないので、超能力者Aが襲わなければ、戦いは起こらず、この映画は全く別の作品になっていた。
超能力者Aは父親から化物扱いされていたけど、父親を殺して一人立ちをしてからは、超能力の存在を誰にも知られていないはずだから、普通に本名を呼ばれて生活していたはずだけど・・・。吉良吉影のように。