TVドラマの感想『ようこそ、我が家へ』
TVドラマ『ようこそ、我が家へ』は来週が最終回。
原作は読んでないけど、ググると、かなり違うらしい。
池井戸潤・原作というと「ネジ工場に融資している銀行」ドラマのイメージがあるので、意外だ。
TVドラマ『ようこそ、我が家へ』では主人公・倉田健太(演:相葉雅紀)よりも、父親の倉田太一(寺尾聰)の舞台である「ナカノ電子部品」の方が「池井戸潤の世界」という気がする。
そうすると、今回悪役の真瀬部長(演:竹中直人)は悪人という気はしない。
『半沢直樹』なら、「真の悪人」は銀行にいるはず。
真瀬部長は不況の中で頑張ったにもかかわらず、借金を背負ってしまった敗者なのだから。
「ナカノ電子部品」を『半沢直樹』に置き換えれば、誰が善で誰が悪かは変わると思う。
★
ところで、ごく平凡な家に謎の人物から攻撃が始まり、そして惨劇が起こり、「犯人は意外な人物だった!」というパターン・・・これは池井戸潤・作品のイメージに合わない。
「犯人は誰か?」というクイズだけど、これは意外な人物でなければいけない。
だから容疑者らしき人物がたくさん出ながら、「全部違う」というのは伝統芸。
でも犯人は、論理的には誰でもいい気がする。
制作者側が盛り上がると思う犯人にすればいいだけの話。
しかし最終回を見た後に、第一話を見直ししたら、説得力はあるのだろうか?
もし円タウン記者・神取明日香(演:沢尻エリカ)の知り合いが真犯人なら、第一話の地下鉄のシーンで、神取明日香が真犯人の正体に気づいていないのは変だ。
「ニット帽で顔が隠れていたからわからなかった」という理由は弱すぎる。